何をするかより、いつするかだ
体内時計
食べる、運動する、眠るといった身体活動を
コントロールしている仕組み
身体のリズムをつくる
朝、体温や血圧をあげて活動の準備をする
朝、体温や血圧をさげて睡眠の準備をする
体内リズムと生活リズムにづれができており
体内時計をリズムよく動かすことが大切です
体内時計は時間によって身体の反応が異なる
朝、食事はエネルギーにつかわれ
夜ら食事はエネルギーをためこむ
朝食を主体とした断食がよい
12.16.18時間のうち12時間がベスト
食べない時間帯を設ける事でオートファジーが働くため
オートファジーとは細胞が新しく生まれ変わる
強いストレスがかかったときに生き残れるようにしている
飢餓状態や低酸素状態など
絶食時間が長くなりオートファジーが過剰になると、分解された脂肪が肝臓に取り込んで脂肪肝になる。また、高齢者では筋肉が減少するサルコペニアのリスクが高まる
16時間、食べる時間が短くなりタンパク質が不足しやすく筋肉が減りやすい。→タンパク質と運動が必要
ポイント
12時間の断食
朝食、昼食、夕食の割合を1.1.1.
朝昼は適量にし夕食の糖質は抑える
朝にたべて体内時計を動かす
糖質 インスリンをだしやすい
魚な油
タンパク質
昼ごはんを抜いて夜に食べると
昼ごはんを食べているより夜の血糖値が上がる
昼ごはんからは塩分を気にしする
塩辛センターは朝に敏感で昼いこは鈍感になる
野菜からカリウムをとり体内に溜まった塩分を排出する
昼は糖質すくなめ
AGEs
▶︎訳
終末糖化産物、後期糖化生成物など
▶︎意味
タンパク質や脂質が糖へ曝露されることによる糖化反応(メイラード反応)によって作られた生成物の総称
身体の様々な老化に関与する物質
タンパク質に過剰な「糖」がこびりつき、タンパク質が糖化され、AGEと呼ばれる劣化したタンパク質のなれの果ての物質が溜まってくることによって広範囲にさまざまな病気の発症につながっていきます。
皮膚に蓄積されればしみ、しわ、たるみとなり、血管であれば動脈硬化、心筋梗塞、脳血管障害に、脳であればアルツハイマー病などの認知症に、目であれば白内障に、骨であれば骨粗鬆症、その他がんや変形性関節症など。ありとあらゆる場所で深刻な病気を引き起こす、とにかく厄介な曲者です。
またAGE値が高い方は、老化の進行が顕著で寿命が短くなることが報告されています。
▶︎イメージ
いわゆる「こげ」です。加齢によっても生成されるもので、誰の体の中にも存在します。
AGEは、分かりやすく言えば、糖質とタンパク質を同時に加熱することでできるこんがり焦げた褐色の部分が、糖化した部分です。例えば、ホットケーキ。小麦粉(糖質)を練って、牛乳や卵のタンパク質を加えて加熱したホットケーキの、きつね色の焦げ目こそがAGEなのです。他にも、ステーキやトーストを焼いた時の褐色の焦げ目など、あなたも身近でAGEsを体内に取り入れているのです。
▶︎活用法
健康的な生活を送っている人は、加齢にともなうAGEsの蓄積はそれほど多くはありません(健康な老化)。しかし、不適切な食生活や生活習慣、運動不足などにより、AGEsの体内での蓄積は急激に増加していきます(不健康な老化)。このため、AGEsは生体内における「生活習慣のバイオマーカー」と言われ、そのAGEsスコアは、いわばその人の「生活習慣の成績表」と言えます。
▶︎デメリット
コラーゲンは本来、ばねのような柔らかい結びつきによって弾力性を保っています。しかし、AGEsのたまってくると、コラーゲン繊維が結ばれ固くもろくなり、弾力性が低下します。
その結果、身体に様々な変化を及ぼしてしまいます。
糖尿病、アテローム性動脈硬化症、慢性腎不全、アルツハイマー型認知症などの変性疾患を悪化させると言われています。
見た目の変化としては、肌の弾力性が減少して、シワ・たるみ・くすみの原因になります。(肌が黄色っぽくなる黄ぐすみを生じやすいです)。AGEsの数値が高い人は「老けた印象」になります。
機能が低下した部位(目、骨、肌、脳など)にはAGEsが多く蓄積していることや、部位(目、骨、肌など)によっては悪影響を与えることも報告されています。
▶︎種類
現在判明しているだけでも、AGEsには数十種類の化合物がある
AGEsは体外、体内の双方で生じる。特に、蛋白質の糖化反応で蛋白質に炭水化物が非酵素的に結合する。
冷え性
体表面温度
暑さや寒さといった環境による変化を受けやすいため安定していません
深部体温
は、脳や臓器の働きを正常に保てるように安定しています。
▶︎体温
人間はもともと体温が大きく変動する動物ではなく、気温が変化しても一定の体温に保とうとする「恒温動物」です。私たちのからだは、血液の流れる量を変化させたり、汗をかいたりすることで、体温を一定に保つよう調節されています。
例えば、皮膚から「寒さ」を感じるとします。その情報が脳の自律神経の中枢、「視床下部」に伝えられ、ここから体温を一定に保つよう指令が出されます。すると血管を縮めて血液をあまり流さないようにすることで、皮膚表面の温度を低く保ち、体内の熱を外に逃がしにくくします。また、寒いと自然にからだがふるえますが、これは筋肉をふるわせて体温を上げようとする反応です。
逆に、暑くて体温が上がりそうなときには血管を広げてたくさんの血液を流し、皮膚の表面温度を上げて熱を出したり、汗をかいて熱を逃がしたりするように調整されているわけです。
冷え症は、本来はたらくべき体温調節機能がうまく機能していない状態であり、主な原因として、次のようなことが考えられています。
自律神経の乱れ
ストレスや不規則な生活などにより、体温調節の命令を出す自律神経がうまく機能しなくなります。また、常に室内の空調が効いていると、室内外の温度差が激しくなるため、自律神経の機能が乱れます。こうして、夏でも冷え症になるのです。
皮膚感覚の乱れ
きつい下着や靴などでからだを締めつけたりすると血行が滞り、「寒い」と感じる皮膚感覚が麻痺することがあります。そのため体温調節の指令が伝わりにくくなってしまいます。
血液循環の悪化
貧血、低血圧や血管系などの疾患がある人は、血流が滞りがちになります。
筋肉の量が少ない
女性は男性に比べて筋肉が少ないため、筋肉運動による発熱や血流量が少ないことも、女性に冷え症が多い原因の一つと考えられています。また、女性だけではなく、運動不足の人も総じて筋肉量が少ないため、冷えやすくなります。
女性ホルモンの乱れ
ストレスが多かったり、更年期になったりすると、女性の心身をコントロールする女性ホルモンの分泌が乱れ、血行の悪化などを促進することがあります。
手足に特に冷えを感じるわけは私たちのからだは、重要な臓器が集まるからだの中心部を一定の温度(通常は37度前後)に保とうとしています。 特に寒いときは、からだの中心部に血液を集めて、体温を維持しようとします。そのため末端である手先や足先には血液が行き渡りにくくなり、温度が下がりやすくなって、冷えを強く感じるようになるのです。
▶︎隠れた病気があることも
手足の冷え(冷え症)は、寒さや血行不良が大いに関係するのですが、さまざまな対策を講じても治りにくい場合には、ほかの病気が隠れているケースもあります。低血圧や貧血、膠原病や甲状腺機能低下症などが考えられるほか、手足の動脈が詰まって血行障害を起こすASO(閉塞性動脈硬化症)は運動不足やたばこの吸いすぎの人に多くみられます。
また、レイノー病、バージャー病、全身性エリテマトーデス(SLE)なども、手足の冷え(冷え症)に似た症状があらわれます。
タンパク質
タンパク質の働き
タンパク質は体を作る役割のある栄養素で、筋肉はもちろん、臓器や肌のもとにもなっています。不足すると肌荒れや免疫力・代謝の低下などのデメリットを引き起こしやすくなるため、健康維持のためにもタンパク質をしっかり補給することが大切です。
動物性タンパク質と吸収率
肉や魚・卵・乳製品に含まれる動物由来のタンパク質は、動物性タンパク質と呼ばれます。動物性タンパク質の吸収率は90%以上で、非常に高いのが特徴です。
さらに吸収率だけでなく、吸収の速度も速いといわれています。そのため、運動後の筋肉合成のために必要なタンパク質を補給するときなど、速やかな補給が必要なときに最適です。
しかし、動物性タンパク質を多く含む食品は、コレステロールや飽和脂肪酸など、摂り過ぎると動脈硬化などの生活習慣病のリスクが高まる栄養素も含まれます。食べ過ぎや動物性タンパク質に偏った摂取は控えましょう。
植物性タンパク質と吸収率
豆や大豆製品など、植物由来の食品に含まれるタンパク質は植物性タンパク質と呼ばれます。植物性タンパク質の吸収率は70〜80%で、動物性タンパク質と比較すると吸収率はやや低めです。
吸収速度も動物性タンパク質と異なり緩やかですが、植物性タンパク質を多く含む食材は低カロリー・低脂質のものが多いため、ダイエット中などに積極的に摂取すると良いでしょう。
また、植物性タンパク質を多く含む食材はビタミンや食物繊維など、タンパク質以外の重要な栄養素を含むことも多く、タンパク質の吸収率を高めるサポートが期待できます。
必須アミノ酸とアミノ酸スコア
タンパク質の種類だけでなく、タンパク質の質に注目することも大切です。タンパク質は20種類のアミノ酸によって構成されています。そのなかでも、体内で合成できない9種類の必須アミノ酸は食品から補給することが必要です。この必須アミノ酸がバランス良く含まれた食材かどうかを判断する指標をアミノ酸スコアといい、スコアが100に近いほどバランス良く必須アミノ酸が含まれている食品ということになります。
上記の表からもわかる通り、動物性タンパク質を多く含む食品のほうがアミノ酸スコアは高い傾向にあります。吸収率が高く、良質なタンパク質を積極的に摂るためには肉・魚・卵・乳製品を積極的に食事に取り入れることが大切です。
こまめにタンパク質を摂る
タンパク質は一度に吸収できる量が決まっています。そのため、一気に摂取しても吸収率に変化はないうえ、全てのタンパク質を活用できるとは限りません。一度に吸収できる量は約40~50gといわれています。
一度の食事だけで50g以上摂取することは滅多にないかと思いますが、プロテインなど健康食品やサプリメントと合わせると50gを超える場合があります。吸収率を高めるためにも、プロテインなどは食事と間隔を空けて摂取する方法を選択するのが良いでしょう。
ビタミンB6、B2、Cなどタンパク質の吸収率を上げる栄養素を一緒に摂る
タンパク質の吸収率において、ビタミンは大切な役割を果たします。
タンパク質はそのまま体に吸収されるのではなく、消化酵素の力で分解され、アミノ酸の状態になってから吸収されます。
胃や小腸など様々な器官で消化・吸収が行われますが、ビタミンはそのサポートをする役割があります。
たとえば、ビタミンB6はタンパク質代謝の中心的存在で、タンパク質の分解や合成を助けます。ビタミンB2はタンパク質の分解を助ける役割があり、ビタミンCは筋肉や関節の強化に必要な成分です。
ビタミンをしっかり補給することで、タンパク質の吸収率を高めることができます。タンパク質を上手に活用することや吸収率を高めるためには、他の栄養成分についてもしっかり意識することが重要です。
歩数
1日の平均歩数
1日の平均歩数は年齢やライフスタイルによって異なります。
成人の1日あたりの平均歩数は男性6,846歩、女性5,867歩です。
男女ともに、ここ10年ほどは横ばいとなっている
また性別・年齢別で見ると、20~64歳までの平均歩数は男性7,636歩、女性6,657歩です。
また、65歳以上は男性5,597歩、女性4,726歩となっています。
男性は20代をピークとして30代から徐々に下降しているのに対し、女性は20~50代まで大きな差はありません。
これについては、ライフスタイルが関係していると推測されています。
男性は、仕事による外出傾向が結果に大きく反映されているそう。
一方、女性は妊娠・出産を経験する30代でややへこみが生じるものの、40~50代からは子育てやパート関連で歩く機会が増えているとのことです。
加えて、全体的に平均歩数が減っているのは高齢者の増加が関係していると言われる
▶︎1日8,000歩を目標としたとき、ざっくり計算すると男性は約900歩、女性は約1,900歩足りないことになります。
ケガをしている、産前産後で体が万全ではない、高齢なのでケガをするリスクが高いなど、さまざまなことを考慮して自制するのは問題ありません。
ただ、若さがありあまる年齢のうちは、できるだけ積極的に歩くよう心がけるといいかもしれませんね。
運動不足の解消になる他、汗をかくことで心のリフレッシュにもつながりますよ。
▶︎8,000歩を距離に換算!
「(身長×0.45×8000)÷100000」で求める
人によって速度にも違いがあるので、計算する際は以下の数値を参考にしてください。
>>ゆっくり歩いたとき:0.37
>>普通に歩いたとき:0.45
>>早く歩いたとき:0.50
一般的には普通の歩く速度が4km/時、早歩きの速度が5~6km/時と言われています。
8,000歩に達する距離が5.76km(約6km)だった場合、普通に歩くと約1時間半(80~90分)、早歩きなら約1時間(50~60分)で8,000歩に到達する計算です。
細かい計算が苦手という方は、10分歩いて約1,000歩に到達すると思っておけばいいでしょう。
▶︎あと〇〇歩!足りない歩数はどう稼ぐ?
まずは、足りない歩数を補うためにどれくらいの距離を歩けばいいのかを、以下の計算式で導き出しましょう。
・運動習慣がある方……身長×0.45×不足分の歩数
・運動習慣がない方……身長×0.37×不足分の歩数
たとえば、運動習慣がない方で身長が160cmの場合、「160×0.37=59.2」となるので歩幅は59.2cmです。
そこに足りない歩数1,900歩(厚生労働省の平均歩数を基準とした場合)をかけます。
「59.2×1,900=112,480」
足りない歩数を稼ぐには、あと約1.1km歩く必要があることになります。
都内であれば駅から駅までの距離は約1~3kmなので、一駅分歩けばよい計算です。
会社からの帰りに一駅分歩くといったように、毎日のルーティンに組み込めれば無理なく続けられるでしょう。
体温
体温とは
人体の温度
▶︎種類
体表面温度 : 手足や顔などの温度、気温の影響を受け安定しない
深部体温 : 脳や臓器などの温度、働きを保つため安定している
▶︎基礎体温
安静状態の体温であり、その人にとっての最低体温である
▶︎測定部位
深部温度が反映されやすい脇、口、耳、直腸などで検温する
測定する部位ごとに時間や方法が異なり、温度も異なります
体温の測定には水銀温度計(水銀体温計)、熱電対温度計、サーミスター温度計(電子体温計)などが用いられる。
一般に人体内部は一様な恒温状態にあると考えられ、その温度を「核心温度」という。一方、体表面に近づくにつれて温度は低下するが、これは外殻を冷たい末梢(まっしょう)組織が囲んでいるためと考えられ、その温度を「外層温度」という。一般に直腸内の温度(直腸温)は核心温度を反映するものとされ、外界の気温にかかわらず約37℃と一定である。一方、皮膚の温度(皮膚温)すなわち外層温度は、皮膚の部位および外界の気温によってまちまちであり、手足はとくに低く、頭部や額はもっとも高い。外界の温度が30℃以上の場合、皮膚温はどこで測定しても34~36℃となるが、外界気温が20℃程度になると、頭部の皮膚温は約32℃に保たれるのに対し、足では26~27℃にまで低下する。しかし、皮膚温でも腋窩(えきか)(わきの下)を閉じた場合の温度(腋窩温)はかなり直腸温(体腔温)に近く、その差は約0.8℃である。したがって、通常の体温測定は腋窩で行われる。欧米では通常、口腔(こうくう)温が測定されるが、この場合はさらに直腸温に近く、その差は約0.5℃である。
体温の変化
平均体温はワキ下検温で36~37℃程度
※個人差がある
年齢、運動、時間、気温、食事、睡眠、女性の性周期、感情、病気など、さまざまな要因で変化するため個人差がでる
一般的には体温が37.5℃を超えると発熱とされますが、
「発熱」と判断すべき体温にも個人差があります。
▶︎年齢
子どもはやや高め、高齢者はやや低めが多い
▶︎1日の間でも変化する体温
概日リズム、日周期リズム
人体には24時間単位で体温変化するリズムがある
早朝が最も低く、夕方が最も高くなる
一般的には1日の間で1℃ほど体温は変動している
他の日の同じ時間帯にはかった体温と比べてみる必要があります。
体温はつねに一定のものではなく、安静に臥床(がしょう)していても1日を周期とする動揺を示す。これを日周期リズムという。その振幅は1℃以内で、午後3~6時がもっとも高く、午前5~6時がもっとも低い。こうした体温の日周期リズムは、徹夜をしても乱れないことから、目覚めと睡眠とによる代謝量の変化だけによっておこるものではないと考えられる。
▶︎ホルモンバランスの影響
女性の場合、ホルモンの作用による体温の変化も見られます。これは、排卵の後に分泌される「黄体ホルモン」と呼ばれるホルモンに、体温を上昇させる働きがあるためです。
通常、月経が始まると体温が下がり、排卵が起こるまでは低温期が、排卵が終わってからは高温期が2週間ほど続きます。排卵後に妊娠をしている場合は次の月経がなく、そのまま高温期が続きます。
ただし、低温期の長さは個人差があり、年齢やその時のコンディションによって変化する点に注意が必要です。
もっとも体温の低い早朝6時ころの体温を「基礎体温」という。女子の基礎体温は月経周期に関連して変動する。月経周期内で排卵期を境として基礎体温は上昇して高温相となり、ついで月経とともに基礎体温は下降して低温相となる。しかし、排卵がおこらない場合には高温相が現れず、また逆に妊娠中は全期間を通じて高温相が持続する。このような基礎体温の周期的変動は、卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)が視床下部の体温調節中枢に作用するためであると考えられている。
運動や精神的興奮
によっても体温上昇がおこる。とくに高温下で激しい運動をすると、直腸温は40℃にまで上昇することがある。
また、細菌感染などによって体温が上昇した状態を発熱というが、
これは細菌の毒素、あるいは組織タンパクなどの異常分解産物が発熱物質として作用するためであると考えられている。体温の上限は44~45℃であり、これ以上では酵素などのタンパク質が非可逆的に変性し始め、急速に死に至る。体温の下限は33℃で、これ以下では意識が失われるが、身体の組織細胞自体は低温によく耐えることができる。
▶︎日頃から自身の平熱を知っておくことが大切です。
基礎体温をはかる場合
基礎体温は、体を動かす前の安静状態時にはかるのが原則です。毎朝布団から出る前の、決まった時間に計測すると良いでしょう。
基礎体温を測る際は、細かな体温変化を確認しやすい婦人体温計を活用するのがおすすめです。
平熱をはかる場合
前述の通り、人間の体温は1日の中でも1℃ほど変化していて、部位によって温度も異なります。平熱を測る際は、朝と夜など、1日の中で異なる時間に同じ部位で検温を行い、時間帯ごとの平熱を出しておくと良いでしょう。
食事や入浴、運動をした直後などは体温が上がりやすいので避け、安静な状態で計測するのがポイントです。
また、1日だけ検温を行っても、正しい数値をはかれているとは限りません。何日かに渡って、同じ時間に体温をはかり続ける必要があります。
具体的な検温方法は、ワキや耳、口など、検温する部位や使用する機器によって異なるので、体温計の使い方を確認しておくことも大切です。
そのため、それぞれを知る必要がある
体温調節
熱産生と熱放散のバランスで一定の温度に保たれている
一定の温度を維持するのは代謝に関わる酵素と呼ばれるタンパク質が関係しています。
ヒトの体は環境に合わせて体温調節する機能が備わっていて、10℃や20℃の気温変化なら順応して生活することができます。
ただし、体温そのものの変化の許容範囲は、そんなに広くありません。体温が34℃以下になると低体温症になり生命の危機となります。逆に43℃を超えて生存することも難しいとされています。
このように体温調節は、私たちが生きていくうえで、どうしても必要な、そしてとても重要な機能なのです。
熱産生と熱放散のバランスで一定の温度に保たれている
・熱産生が熱放散を上回ると体温は上昇します
・熱産生が熱放散を下回ると体温は下降します
▶︎熱が発生
私たちが日々、口にしている食べ物は、体のなかで必要な栄養素に分解されたり、細胞が活動する時に必要なエネルギーに転換されたりしています。このような体のなかで起きている化学反応のことを代謝といいます。
体温が一定に維持されるためには、体内における熱の産生と、体外への熱の放散とが平衡していなければならない。
つまり、外界の気温が低下した場合は、熱の放散を減少させると同時に熱の産生も増加して体温の低下を防ぎ、逆に外界が高温となった場合には、熱産生の減少と熱放散の増加がおこるわけである。
熱産生促進の機序(メカニズム)として第一に「ふるえ」をあげることができる。ふるえは骨格筋の不随意収縮であり、これによって骨格筋による熱産生は増加する。また、寒冷時には甲状腺(こうじょうせん)ホルモンや副腎髄質(ふくじんずいしつ)のアドレナリンとよばれるホルモンの分泌が増加し、全身の代謝が亢進(こうしん)する。さらに、これによる血糖利用率の上昇によって食欲が亢進する。逆に外界が高温のときには食欲減退、甲状腺ホルモンの分泌低下などによって熱の産生は抑制される。
熱放散促進の機序としては皮膚血管の拡張および発汗がある。皮膚血管が拡張すると皮膚温が上昇し、皮膚からの熱放散が増加する。また、発汗は蒸発熱の放散を促進する。イヌなどでは「熱あえぎ」がおこり、口腔からの蒸発が盛んとなる。寒冷時には皮膚血管が収縮して皮膚温が下がり、熱放散は抑制される。
温度感覚は皮膚に散在する感覚受容器によっているため、皮膚血管が収縮して皮膚温が低下すると寒く感じ、逆に飲酒などによって皮膚血管が拡張すると温かく感じる。ただし、この場合は感覚としては温かくても、熱の放散はより増大しており、体温調節のためには不利となる。また、動物などでは寒冷時には毛が逆立ち(立毛(りつもう))、皮膚に密接している空気の層を厚くすることによって熱放散を抑制する。ヒトでも、立毛の名残(なごり)として寒冷時に「鳥肌がたつ」が、体毛が少なく、また短いため、熱放散抑制のためにはほとんど無意味といえる。
▶︎熱の放散
体のなかの温度が上がりっぱなしになることはありません。熱産生と熱放散のバランスが取れていると、体温は一定に保たれます。
役割
酵素の働きに欠かせない重要なものです
生体内における物質代謝の結果、遊離されるエネルギーのうち3分の1ないし4分の1は機械的、化学的、電気的その他の仕事として役だつが、ほかはすべて熱として消費される。この熱は体の表面から放散したり、尿や便とともに体外に排泄(はいせつ)されるが、同時に身体を温め、体温を保つ働きももっている。ヒトの体温はだいたい37プラスマイナス1℃の範囲にあり、通常はほぼ一定に維持されている。このように体温が一定に保たれることによって、体内ではいろいろな酵素の作用をはじめ、諸種の化学変化の反応速度が一定に保たれることになる。
動物の体温
動物の体温目次を見る
動物のなかでは哺乳(ほにゅう)類と鳥類は体温調節能力が高く、環境温度から独立してつねにほぼ一定の体温を保つので恒温動物といわれる。また温血動物ともいう。これに対して爬虫(はちゅう)類以下の動物は変温動物または冷血動物とよぶ。恒温動物でも体の部位によって温度が異なり、表層より深部のほうが温度が高い。体温は腋窩、口腔(こうこう)、直腸で測る。ヒトや哺乳類の多くは36~38℃、哺乳類のあるものや鳥類の多くはそれより高い40~42℃を保っている。しかし1日のうちでも多少の変動があり、ヒトは夜明け前が最低で、午後1~6時が最高である。体温調節能力は生まれたばかりのときは未発達であり、徐々に完成してくる。
体熱の源は体内の物質代謝に伴う発熱反応(内温性という)で、おもに肝臓と筋肉で発生する。筋肉では遊離エネルギーの4分の3が熱となり、4分の1が仕事に利用される。冬眠動物が冬眠から覚醒(かくせい)するときには、肩甲骨の近くに分布している褐色脂肪組織の産熱が働いている。高体温の維持には体毛、羽毛、皮下脂肪層の発達が役だっている。変温動物でも外気温が低下したときには筋肉活動を増して体温を上げることが魚類や昆虫で知られている。また、変温動物でも太陽熱を吸収して体温を高めること(外温性)がある。たとえば、トカゲの体温の変化は日光に対する定位の変化によっている。
環境温度は、皮膚にある冷点や温点で情報を得て、脳にある体温調節中枢が感じる。そこから運動神経や自律神経が出て体温調節に働いている。神経系とは別に、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、成長ホルモンなどのホルモンが物質代謝の速度を左右することにより体温を調節する。寒冷刺激によりこれらのホルモンの分泌が高まり、肝臓や筋肉の物質代謝が高まる。一方、交感神経は立毛筋、血管に対して興奮的に作用し、熱放散量を減少させる。