筋力の評価

筋力の評価

 

1.最大筋力 

2.筋力発揮率 瞬発的な筋力発揮の指標

 

 

最大筋力

 

1RMとは、正しいフォームで1回だけ挙げることができる最大重量のこと。

 

最大筋力(100%=1RM)とは? ここでいう最大筋力とは、どの種目であっても1回しか持ち上がらない重量

 

筋力発揮率(RFD)

 

筋力の立ち上がり率と訳されています。しかし国際的には、いかに短い時間で、より大きな力に到達できるかという能力を示す重要なインデックスとして非常によく用いられています(図1)。

 

筋力発揮開始時点から筋力上昇時における筋力変化の平均勾配から算出される指標

 

▶︎測定

RFDは、力を発揮し始めてから最初の0.1秒なら0.1秒の間にどれだけの筋力に到達するかという値や、単位時間ごとの筋力の立ち上がり(ΔF/Δt)を計測しその最大値(最大RFD)を求めるという方法によって測定されます。

 

一定時間間隔での筋力変化で あり、その時間間隔は0-30、0-50、0-100、0-200ms で評価されることが多い。また最大筋力に到達するまでには300ms 以上の時間を要す。

 

▶︎計算

※RFDは、チカラ(N)÷時間(S)で算出されます。
N=Newton(ニュートン)
S=Seconds(秒)

 

▶︎仕組み

より大きなRFDを得るには、できるだけ多くのモーターユニット(運動神経細胞とそれが支配する筋線維のグループ)が瞬時に動員される必要があります。

 特に瞬間的に大きな力を発揮できる速筋線維中の速筋線維であるタイプⅡbの動員率が高くなる必要があります。しかもできるだけ高頻度のインパルスが発射され、タイミング良くそれらのモーターユニットが瞬時に同期して興奮することが条件となります。

 

▶︎相関関係

※RFDと1RMはそれぞれ独立した別の能力です。特に動作開始直後の極めて短時間にどれだけ素早く力を立ち上げることができるかという初期RFDは最大筋力や1RMとの間に相関関係が示されないのが普通です。

 

例えば、
短距離の全力走(スプリント走)で、地面と足との接地時間は
「約90〜130ms(ミリ秒)」です(Sami Kuitunen:2002)

最大筋力(最大随意収縮力=MVC:Maximum Voluntary Contraction)は、
「300ms(ミリ秒)」よりも遅れて到達します。(A Thorstensson:1976)

つまり、
多くのスポーツ競技では「最大筋力」に到達するよりも前に、より短い時間で、より大きな力発揮が求められている、ということになります。