カロリー
カロリーとは
エネルギーの単位
水1ℓの温度を1℃上げるのに必要なエネルギーが1kcalです
生きるためにエネルギーが必要であり食糧から摂取している
人間にとってのエネルギーには、食べものから摂取される「摂取エネルギー」と、日々の活動で消費される「消費エネルギー」の2つがあります。
私たちの体は、日々の活動によって消費されたエネルギーを食事から摂取したエネルギーでまかない生命活動を続けています。
基本的に「摂取エネルギー>消費エネルギー」の状態になると体重は増え、「摂取エネルギー<消費エネルギー」の状態になると体重は減り、「摂取エネルギー=消費エネルギー」の状態になると体重は変化しないといわれています。
ダイエットをしている方の中には、体重を減らすために「摂取エネルギー<消費エネルギー」の差が大きくなればなるほど良いと思う方もいるかもしれません。
ですが、最低限生命活動を維持していくためのエネルギー(基礎代謝エネルギー)を摂取エネルギーで補いきれない場合、体は逆に太りやすくなってしまいます。
ダイエットのためには、基礎代謝エネルギーを最低限確保した上で「摂取エネルギー<消費エネルギー」の状態を作ることが大切です。
1日に必要なカロリー
1日に必要なカロリーは、性別、年齢、体格(筋肉量)やどのくらい体を動かしているかといった要素によって決まります。
参考までに、平均的な体格の男女が1日に必要とするカロリーは以下のとおりです。
【推定必要カロリー(kcal /日)】
現在の体格で1日に消費するカロリー
厚生労働省や日本医師会は、18歳以上の成人が1日に必要とするカロリー(消費するカロリー)を「基礎代謝量」×「身体活動レベル」という式で算出する方法を採っています。
▷基礎代謝量とは
何もせずじっとしているときに消費される、呼吸や心拍、体温の維持など生命を保つために必要最小限のカロリーのことです。
基礎代謝量を求めるやり方はいくつかありますが、ここではBMIが30程度までなら大きな誤差を生じない*1とされている国立 健康・栄養研究所が作成した推定式をご紹介しましょう。
BMIとは
[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される、肥満度を表す国際的な指標です。
体重・身長・年齢に応じた基礎代謝量を計算することができます。
▷身体活動レベルとは
運動量に合った必要カロリーを計算するために用いられる指標です。1日のカロリー消費量を1日当たりの基礎代謝量で割ることで求められます。
身体活動レベルは日常的に体をどれくらい動かしているかによって3段階に分けられます。
レベルⅠ(低い)
生活の大部分を座って過ごし、あまり体を動かすことがない場合
レベルⅡ(普通)
座っていることが多いが、職場内での移動や立っての作業、通勤・買い物・家事・軽いスポーツなどのいずれかを行う場合
レベルⅢ(高い)
移動や立っての作業が多い仕事に従事している、または頻繁に運動を行う習慣がある場合
ただしこの式で求められるのは現在の体格で1日に消費するカロリーです。
肥満状態にある場合はその分体重が増え基礎代謝量が大きくなっていると考えられるため、適切にカロリー制限を行い減量する必要があると考えられます。
また痩せ過ぎの場合も、摂取カロリーが不足していることが考えられるため適切なカロリーを摂取することが必要です。
健康的な体重を目指すためのカロリー
カロリーと体脂肪の関係
100kcalを摂取しても、100kcalを消費すれば体中には残らない
消費しきれず残ったエネルギーは、脂肪に変わり貯蔵される
体内の脂肪1kgを消費するには
脂肪1gは9kcalのため脂肪1kgを消費するには9000kcalが必要
体内の脂肪は脂肪細胞に蓄えられるため脂肪だけではない
脂肪細胞の約8割は脂質で残り2割ほどは水分や細胞の重さ
これを踏まえると脂肪1kgを消費するのに必要なカロリーは、
9kcal×1000g×80%=約7200kcal になります。
つまり、1カ月で1kgの脂肪を減らすために必要なエネルギーは、7
200÷30=240kcalとなり1日あたり240kcalになります。
毎日240kcal分のエネルギーを多く消費する、もしくは摂取を抑えられれば1カ月で1kgの脂肪を減らすことが出来ますよう
ちなみに240kcalは、食べ物では「どら焼き1個」や、「発泡酒ロング缶(500ml)1つ」程度。生ビールなら「中ジョッキ1.2杯」くらいです。
運動では「ウオーキング約50分」、「ジョギング約27分」程度を目安と考えてください(約171cmの70kgの30-40代男性の場合※ 1)。
脂肪1kgを減らすと見た目はどう変わる?
エネルギーを7,200kcal消費しても、減らせる脂肪が1kgというと、数字的に見るとあまり変化が無いように感じますが、見た目は大きく変化します。統計的には、標準的な体格の男性でウエストが1cm減る程度の変化が起きます。
脂肪は密度が低く、重さのわりに体積が大きいため、身近なものでは500mlのペットボトル2本分と乳酸菌飲料3.5本分の体積になります。脂肪を1kg減らした場合、それだけの体積がからだから削ぎ落とされますので重さの感覚以上に見た目にはスリムに引き締まって見えるのです。